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訪問看護は「9割引きの格安マッサージ」ではありません!

  • 執筆者の写真: yamasakik2023houka
    yamasakik2023houka
  • 4月20日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月22日

みなさんこんにちは。ナーシングカンパニーのやまさきです。

訪問看護は「9割引きの格安マッサージ」?!どんな見出しつけるねん💢

…と感じた、最近の訪問看護報道について考えてみました。


◾️プレジデントオンラインの記事

訪問看護は「9割引きの格安マッサージ」…現役世代が重税に苦しむなかで「福祉の無駄遣い」がなくならないワケ

参入障壁が下がって利用者の奪い合いが起きている


このタイトルによって、どれだけの誤解と偏見が広がることか。

どれだけ多くの、誠実に訪問看護を担う看護師が、踏みにじられた気持ちになるのか。

キャッチーなタイトルが売りなのはわかりますが、これはアカン。


ここ最近、訪問看護をめぐる「不正請求」の報道が立て続けに出ています。

高い頻度で、極端な言葉や数字が並ぶ報道には、強い違和感を感じます。


そもそも訪問看護は、医師の指示のもと、医療的ケアを自宅で提供する責任あるサービスです。

訪問看護師は、ご利用者が病気を持ちながらも安寧に暮らせるよう、思いに寄り添いながら日々訪問しています。高い専門性が求められる仕事です。


しかし最近の報道では、現場の努力や専門性には触れず、「格安マッサージ」「不正の温床」といったタイトルばかり。一部の不正を、業界全体の姿のように扱い、制度そのものまで疑問視する空気さえ漂っています。

不正は当然、厳しく対処されるべきなのは当然のことですが、地域を支える多くの訪問看護ステーションにそのツケが来ることはあってはならないと思います。


■ 訪問看護の実際

多くの訪問看護ステーションでは、タイムリーで良質な医療・ケアを、利用者一人ひとりに合わせて行います。


例えば、

・虐待認定のケースでこじれた糸を解くように本人や家族と向き合い、病の特性を踏まえたサポートでなんとか暮らしを維持する方。


・どうとでもなれ、みたいな生活をしていたけれど、入浴や外出ができるようになった方。


・慢性疾患で入退院を繰り返していたが、セルフケアにちょっと関心を持てて、入院せずにいられてる方。


・退院直後には、病院と家とで異なるセルフケア獲得の足掛かりを集中的に支援して作り、週一回の訪問に移行する方。


・本人と家族の看取りへの意向が異なっていたけど、そっと支えることで家族が看取りをできた方。


相手の思いや願いに寄り添いながら、先を読み、困らないよう整える。

それが本来あるべき訪問看護です。

31年間、そう信じてこの仕事を続けています。

そして、こうした現場の成果がもっと社会に知られることが、不正防止にもつながるはずです。


■ 制度の見直しも不可欠

制度そのものも見直されるべきです。


例えば、

・ナーシングホームで問題視された“在宅扱いの建物”と、一件一件訪問して回る“個別の家”。この違いは明確に評価されるべき。


・電子請求の使用料を徴収するなら、質評価ツールの導入など透明性ある仕組みを整備するべき。訪問看護の回数と疾患や重症度を利用者ごとに毎月の経過を見てれば、おかしな請求はかなりの精度でわかるはずで、現システムではすでにできると思います。


しかし声を上げても、大規模化や高度医療の話が制度改正では多く取り上げられています。それだけで不正はなくならないことは、すでに明らかです。


■ 制度の持続性 

このままでは、本当に必要な支援を受けられない利用者さんが出てしまう。そして、誠実に働いてきた看護師たちの心が折れてしまう。

その結果、地域包括ケアシステムが立ち行かなくなる。

そんなことになったら悲しいです、、


安心して訪問看護ができる現場と地域が守れるための訪問看護制度となるためにも、私たち訪問看護師自身が良質なケアを続ける。

その積み重ねは、制度の信頼性と持続性を高め、地域医療のこれからを支えることにつながると信じています。



当ステーションでは訪問看護を一緒に実施してくださる看護職、セラピストスタッフを募集しています。常勤スタッフはもちろん、都合の良い時に働きたい、という方も大歓迎です。

お問い合わせは、0798-63-2007山﨑まで、お気軽にお電話くださいね♪



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