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リンパ浮腫ケアの意義

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

西宮市医師会在宅医療懇談会で、リンパ浮腫と在宅ケアについてお話しする機会をいただきました。


小川先生からは、すぐに現場で役立つ専門知識を、わかりやすくたくさん示していただき、とても学びの多い時間になりました。


私は、リンパ浮腫を単なる「むくみ」としてではなく、暮らしや安心に直結する問題として捉え、在宅で何ができるのかを症例を通してお伝えしました。


実は、事例1の方がこの日の朝に亡くなられました。

お顔を見に伺ったとき、お姉さんがこう話してくださいました。


「ありがとうございました。7年間、つらい治療ばかりだったけれど、山﨑さんが来てくれるのを本当に楽しみに待っていました。癒やしの時間だったと思います。足も指も、自分が見慣れた姿に戻ったと喜んでいました。最後に出会えて本当によかったです」


この方は2月初めに近隣のステーションからつないでいただきました。

最初の訪問では、リンパドレナージ後の見た目の変化に、ご本人もご家族も一緒に驚き、喜んでくださいました。


その後、呼吸苦によるパニックでオンコール対応が入り、主担当のステーションが呼吸補助や声かけで支えておられました。

やがて胸水を週に何度も抜くようになる中で、リンパケアを主目的とする訪問をこのまま続けることが、本当に今のご本人のためになっているのだろうかと、私自身迷うようになりました。


その頃、情報共有ツールにも参加させていただくようになり、詳しい経過を知るほど、その迷いは深くなりました。

そして亡くなる2日前、その日もオンコール対応があったと知り、予定通り訪問するかどうか、ご本人に確認しようと思ってお姉さんに連絡しました。すると、ご本人から「ぜひやりたいです」と返事がありました。


お姉さんの言葉を聞いて、そんなふうに待っていてくださったこと、そしてこの時間が緩和にもつながっていたことに、あらためて気づかせてもらいました。

このエピソードを話すと、やはり涙が出てしまい、声が震えて困りました。


在宅でのケアは、苦痛を少しでも軽くすること、安心して過ごせる時間をつくること、その人らしさを最後まで支えることにつながる。

そのことを、改めて深く感じる一日でした。


また、会のあとで、ある先生が「役割分担して関わった方がいいね」と声をかけてくださいました。

私はそのとき、リンパ浮腫になってからではなく、リンパ浮腫の可能性がある段階から一緒に入れていたら、もっとやりやすいのですとお伝えしました。


研修の中でも、「リンパ浮腫の可能性がある段階からつないでください」とお話ししました。

そして会の結論として共有できたのは、まず小川先生の講義のように浮腫をきちんと見立てること、そのうえでリンパ浮腫の可能性がある段階から専門職につなぐことの大切さです。


ステーションの方が「自分たちで行うなら」と質問された場面では、小川先生が

「圧迫療法は専門家でないと難しい」

と明確におっしゃったのも、とても印象的でした。


専門性が必要なことは専門職へ。

地域の支援者は、早く気づき、早くつなぐ。

その連携が、苦痛を減らし、暮らしを支えることにつながる。

そのことを改めて確認できた時間でした。


お声がけくださった川﨑先生をはじめ、関わらせていただいた皆さまに感謝します。




 
 
 

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